Profilo di T-T助教の雑記帳FotoBlogElenchiAltro ![]() | Guida |
|
|
初日05/07/2007 ここは7時半には,ほぼ,全員集合という部署.Metro Centerに宿をとっているので,通勤時間約1時間ということで,6時ちょい前に出る.Washington D.C.の早朝はまだ寒い.先月は日中に30℃になることがあったようだが,朝夕は涼しい. お土産の羊羹 まずは電顕. いつ使っても,さっさと報告書を書く為のCarl Zeis製お気軽電顕.写真撮影,元素分析・マッピングから最後のドキュメント作成までが本当に楽にできる.うちの研究室にも欲しい.お値段は億ション買えるほど
どんなに高精度のEDSやEPMAになっても,原理は変わることは無い―原理が変わったら分析法の名前と装置の値段が変わるのだけど.自動元素同定すると在り得ない元素を候補として列挙する.Lanthanoid,Actinoid系列の放射性元素とかは最初から無視.酸化皮膜がついているのは確実なのでOも無視.遷移元素は実際に成分になっていないものまで結構出る.ここでどれを無視するのかどうか,それを設定するところが,また,「科学って恣意的,主観的だなぁ」と毎回思うところ. 光学顕微鏡よりも焦点深度が深いところが低解像度での電子顕微鏡の有利な点.光顕観察では見難い微小な凹凸も割りとはっきり見える.で,延性破断を示す微小窪み―ディンプルが見える."...brittle material in nature"といわれたろう材がDuctile fractureを起している.母材への添加元素の拡散と,第二相粒子としての析出によって,どうも凝固層の基相は共晶域から外れたらしい.拡散と析出でそこまでなると恒温時間が長く,徐冷. 手で持ってはいけない軽量合金,酸化防止のための塩浴ろう付.これで元素分析かければ何をどうしたのかわかってしまうので,漸く手の内を見せてくれた. う~ん,かなりナメラレテいたか (注)写真は本観察のものではありません.延性破面のディンプル・パターンを例として示したものです. 夜明けの微細組織観察2007/04/20 日本に帰ったら規則正しい健康的な生活をしようと思っていた. 現在,深夜3時. 金属微細組織観察試験片の作成というのは金属表面が鏡面になるまで研磨して仕上げて,主に酸で軽く腐食(エッチング)する作業.そうすると,「金属微細組織」が顕微鏡で観察されるようになる. 高校の物理までは金属は原子が規則正しく並んで金属結合していると教わる.そのイメージは正しい―マイクロメートルのスケールまでは. まぁ,3人集まれば派閥ができるというが,原子はまだ長いものに巻かれろ的に従順なようで,億単位にならなければグループ―結晶粒を作らないようだ. 結晶粒の並びを観察するのが金属部際組織観察. と,ここまで前口上を述べても大学生は「ッタリ~よっ」と寝ていたりする. 今回は,軟鋼2種,中鋼,ハイスの4種類の鋼に焼きならし,焼入れ,焼入れ+焼き戻しの3種の熱処理を加えて,炭素量による,組織の違いとヴィッカース硬さを比較,考察してもらおうという寸法. 12個の試験片を研磨していると指に水ぶくれができてくる.痛くても,ピカッピカに鏡面仕上げされた試験片面は美しい ここまでくると,夜明け.パーライトもマルテンサイトもベイナイトも綺麗に出ているのを確認して,ヴィッカースの圧痕を穿って,終了. ここまでやっても,微細組織が見えるといって感動してくれる学生って少数派なんだよね… 平衡状態図04/13/07 本年度も講義期間が始まってしまった.受け持っている演習・実験の講義にいくと,なんとなく,いつもより人数が多い.そういえば,本年度は4年生に上がれない―研究室配属に単位が満たない―学生が多かった.そのせいだろうか.
毎年この時期には3年生を相手に平衡状態図を教える.演習として,DTA(示差熱分析)実験と熱力学計算による状態図作成を課してきた. 物質Aと物質Bが合金化した2元系合金を考える.A,Bが原子的尺度で混合した状態を溶体と呼ぶ.溶体に含まれるA,Bのモル分率を で,3年生にこの編微分方程式が解けるか….残念ながら,解析的に解けない.数値的に解けというのは課題としては重すぎてしまうかもしれない.いや,優秀な彼らだからやってくれるかもしれない. ということで,妥協して, しかし,彼ら,一生これを使うことはないのだろうなぁ. 機械系として,もっと役に立つ課題を考えなくてはと,平衡状態図のテコの原理を使った演習問題を4問ほど付け足す.しかし,金属間化合物や,中間相のある状態図は教わっていないという.どれだけ,自分で調べてレポートを書いてくれるだろうか. 喧騒 それぞれのWeekend
Mr.Aの親父ギャグに冷たい反応のMs.B.どうもこちらでも親父ギャグは若い娘には冷たくあしらわれる様だ. 今日の職場はかなり険しい雰囲気だった.
きっつぅ~.
あぁ,Japneseがお前の後ろにいるんだよ.ASTRO-Eのことを言っているのかな? 日本の科学衛星なんて頭に無いStaffがEngineeringには多いと思っていたけど,Mr.Cはいろいろ見ているのね.まぁ,知っているだけ許そう. 隣室のMr.Dはしきりに電話相談.黙って聴いていると,どうも多方面との会話.今回の報告は打ち上げ担当,ミッション担当との合同のようだ.FrameとDeviceはここが担当しているのだが,Frameの方は,Mr.Eが複合材のことを相談に来週日本に飛ぶ.とはいえ,Frameは余裕があるらしく,というか,他が遅れているお陰.Mr.E,今回は日本観光もかねている.先週などは
いつもながら身だしなみも礼儀も正しい人格者なMr.E. しかし,Shuttle退役後の打ち上げのはずなのに打ち上げ系? Shuttle延命なんてウルトラCが用意されているのだろうか.ESAとのすり合わせにもう入るの? Missionのスケジュール感覚が全然わからない私. 一方,私のSupervisorはノンビリ手内職.というのは失礼.SAM-Sample Analysis on Mars―用機器の部品造りだ.もう火星探査のMissionは走り始めている.4形状4材質の細かなバルブ部品をMr.Y考案のこれまた細かなジグに納めていく.3種のリングろう材を挟み込みながら. 1回のテスト用に120個が必要という.実験計画法がMatrix系なのだろうか.Orthogonal Chart系とは思えない大量なテスト.午後に炉に仕込んで,開けるのは週明け.シーケンサをONにするとロータリーポンプが回転し始め,5分程度でチャンバの真空度が所定まで上がると,ロータリーポンプのバルブは油拡散ポンプ側に自動的に切り替わり,チャンバと油拡散ポンプを結ぶ巨大なゲートバルブが開く.そして,自動で電離真空計が灯る.2.0x10-6torr程度になると加熱シーケンスが始まるはず―楽チン~.うちの研究室にも欲しい.造れば良いのか.電磁バルブ高いけど. 細かいものを沢山見ていたので,目をしょぼつかせながら部屋に帰る途中,
昨年入ったばかりで見習い扱いで特に何のタスクも無いMs.M MSが,私を通り過ぎると
次はMs.G軽くいなされていた.それでもオレンジ色の赤毛をルンルンと振りながら帰っていく.なんでBaltimoreなんだ? D.C.の方がいいお店多いだろう. 居室に帰ると,隣のブースでMs.B,Mr.C,Mr.DにMr.Eまで加わって討論.出すものがまだないので,出す努力をしつつ,環境条件がこうで,材料要求はこうなって,あーの,こーので乗り切ろうということになる. 兎に角今日できることはやったということで,Ms.Kは肩に重い荷が乗ったように,首を傾げながら言った.
(*) 初版掲載文には私の誤解と不明瞭な記憶により,誤解を招く記述,不適切な表現,コメントを含んでおりました.深くお詫び申し上げます. いびつだけど付いた02/07/13 嵌め合がきちんとしている円筒同士を抜き差しするのは気持ちがいい TP340(Grade-2)のTi合金管の熱膨張係数が約8.1×10-6[K-1]程度.金属類では小さい部類.
どの物性値も大体300―600[°K]と比較的低温度.あれ,SUS304とAl合金は接合後残留応力が発生しにくいんだ.へ~ 一方,C/C複合材管の場合はどう考えたらいいのだろう.織方向と積層方向の熱膨張係数が著しく違う.今回用いたものとは違うが,
三次元織ならもちろん異なるだろうけど.加熱すると円周方向に引張応力が発生しそう.あるいは,常温で圧縮応力がかかっている状態かもしれない.いずれにしても円周方向の熱膨張係数が著しく小さいので,外径はほとんど変わらないのだろう.多分. 兎に角,Ti合金管にC/C複合材管を差し込んで,炉中ろう付した.付いた 明日は2nd Batchを仕込んで,今日の試験片を割って削って光顕,電顕と忙しくなりそうだ Sabotage02/09/07 米国では職域の区分けが融通が利かないほどに厳しい. 先月,ロウ付試験のためにTi管の口を内グリで段付にしたいと思った.Material Engineering BranchのMachinistは2人いるが,年配のD氏がウンと言わないと,下のS氏も動かない.その上,D氏は私のSupervisorを嫌っている.Dr.Yはウクライナ系ユダヤ人でGoddardに入ってあっという間に主任研究員になってしまった,ある意味,成功者.このBranch,実は東欧系―Polish,East Germany,Russian,Ukrainian―が結構いて,大体がユダヤ系.しかも彼らは皆研究員.どうもこのGroupと根っからの米系のGroupは中が悪いのだ.ここでの根っからの米系というのは大体がEngineer.ちょっと職階が下がる.腕がよろしければ職階なんて関係ないとは思うのだが,どうも,そこら辺,階層意識が強い. 80年代の米国は材料工学に投資を怠った為か,50代,40代の研究員に生粋の米国人男性は少ない気がする.その下の世代も,材料系,私のように機械が混ざった材料系も,東洋系とMinority,あるいは女性だけとなる. それはいいとして,彼がお守りしている―回しているのをあまり見たことがない―旋盤を使わせてくれないかと頼んだ.どうも使わせろというのがカチンとキタみたいだった.東洋人のガキの癖に,Assistant Professor なんて肩書きを持っているが気に入らないと常日頃から思われていたようだし・・・."Authorized person only"なんて言われてしまった.じゃ,お願いしますと,図面と素材を渡す.この図面にも腹が立ったらしい.親切に同じものをSI系とUS inch系に書き分けた2葉を渡したのだが,馬鹿にされているとでも思ったらしい. さて,図面は外径Φ27×肉厚t1.9mmのTi管に内径Φ24.2×深さ5.08mm(1/4")の段をつけろというもの.ハメアイはH7/h6,US系ではLC5で,表面仕上げは√0.4.ということで,普通にバイトで削れば良いだろうとタカをくくっていた.5ピースなので1時間程度でできると思った. MachinistのD氏,まずは しかし,何じゃこりゃ!? ズボズボ. 「D,LC5を指定したと思うけど.でもこのハメアイは緩過ぎるよ.」 本来の意味でのSabotage.完全にやられた.300mmのTi管1本を潰されてしまった.折角,日本から送ってもらったのに.残るは3本しかない. 結局,Dr.Yが別のProjectで外注している,工場に頼んだ.それでも2週間かかった.米国に㈱ミスミみたいな会社があれば良いのに. それより旋盤ぐらい使わせてよ. Chrismas & 契約更改Thanks Givingも終わり,Washington D.C.のDown TownもChristmassムードになった.
White HouseにもChristmass Treeが飾られたそうだ.
日曜日には陸の孤島と化すGreenbeltなので,土曜日はBus/Metroを乗り継いで,Downtownまで来る.Wi-Fiの使えるBorders 14th Str.店まで来てSeattles's Bestでコーヒー飲みながらノートPCで原稿を打っていたりする.六本木生研にいたときのようで,大学院生に戻った気になったり... 緑の豊かな生活も良いけど,都会の喧騒が何故か落ち着く.これでアキバがあき(れ)ば...
NASAの職員は年休消化のため,来週あたりから一斉に休暇を取り始める.既に一通りの実験機器の使い方は分っているし,どこになにがあるかはガチャガチャ探せばどうにかなるので,実験は可能.それにThanks GivingからChrismasまでの米国の研究所は大体こんな雰囲気だよって阪大の若手S助教授に教えてもらっていたので,まぁ,いいかという感じ.高価なおもちゃを沢山好き勝手使わせてもらえるので,それはそれで嬉しい
金曜日夕方,非常に珍しく,Branch Managerから全員呼集がかかった
内容は研究開発の契約会社,S社との契約が決裂.来年2月から新しい契約会社が来るとのこと.
このMaterial Engineering Branch,実は6割方が契約会社の社員からの派遣.正規で実際に実験開発を行っている職員は比較的若い人に限られる.あとは外部委託などへの仕事配分の官吏のようになっている.S社とは6年ほど契約を更新してきたが,どうも某Projectの進捗が芳しくなく,Goddard側で契約金を下げるか,交代かで交渉したらしい.S社はNASA Langley Research Centerとの交渉が好調らしいので手を引いたというか,足を抜いたとういうか.
隣にいたBradに,どうなるの?みんな総入れ替えになるの?と尋ねたら,多分,今のS社々員の大部分が新しい契約会社と契約をすることになるらしい.しかし,足元みられて契約金(年俸,週払いだったりもする)が下がることは確実だから,どれくらい残るかな.とのこと.彼らの給与が最低7万ドル――私の隣のブースのKamiliが20代後半で一番若くて――,大体9~12万ドルだから,下がるといったらどれくらいなのだろう.ちなみに私の日本の大学の給与は5万ドル余り.
"... I apologize for your incovinence. All of your incovenience."
とMichが〆る.
来週からはS社々員は一足先のChrismas Vacationになるようだ.
|
|
|