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初日

05/07/2007

ここは7時半には,ほぼ,全員集合という部署.Metro Centerに宿をとっているので,通勤時間約1時間ということで,6時ちょい前に出る.Washington D.C.の早朝はまだ寒い.先月は日中に30℃になることがあったようだが,朝夕は涼しい.

お土産の羊羹を持ってご挨拶周りからノンビリはじめるか,と思っていた.が,Supervisorはかなりテンパッていた.いきなり,電顕試料観察と画像処理.今週中に纏めなくてはいけない報告書があるとのことだが,Staffが足りないとか.というのも,先月,研究開発契約会社がSwales Aerospace社からSGT Inc.社に変わり,Swales所属のStaffが再契約,解雇,退職や,休暇消化等々で,落ち着かない状態だからだった.いや,皆さん大変ね.そういえば,五月の薫風とはいうが,それが吹き抜けられるほどに心なしか人が少ない気がした.

まずは電顕.

いつ使っても,さっさと報告書を書く為のCarl Zeis製お気軽電顕.写真撮影,元素分析・マッピングから最後のドキュメント作成までが本当に楽にできる.うちの研究室にも欲しい.お値段は億ション買えるほどに行ってしまうかもしれないけど・・・.しかし,バタバタしてんだなぁ,と実感したのは,毎週金曜夕方に補充されているはずの液体窒素が空になっていたこと.元素分析ができるようになるまで1時間のロス.

その間,二次電子像で見るべきところの指示を受ける.材質とろう材のDesignationは教えられないとのこと.いや,それで元素分析してもねぇ・・・.ということで,最低限,入ってそうで入っていない元素を列挙してもらった.

どんなに高精度のEDSやEPMAになっても,原理は変わることは無い―原理が変わったら分析法の名前と装置の値段が変わるのだけど.自動元素同定すると在り得ない元素を候補として列挙する.Lanthanoid,Actinoid系列の放射性元素とかは最初から無視.酸化皮膜がついているのは確実なのでOも無視.遷移元素は実際に成分になっていないものまで結構出る.ここでどれを無視するのかどうか,それを設定するところが,また,「科学って恣意的,主観的だなぁ」と毎回思うところ.

光学顕微鏡よりも焦点深度が深いところが低解像度での電子顕微鏡の有利な点.光顕観察では見難い微小な凹凸も割りとはっきり見える.で,延性破断を示す微小窪み―ディンプルが見える."...brittle material in nature"といわれたろう材がDuctile fractureを起している.母材への添加元素の拡散と,第二相粒子としての析出によって,どうも凝固層の基相は共晶域から外れたらしい.拡散と析出でそこまでなると恒温時間が長く,徐冷.

手で持ってはいけない軽量合金,酸化防止のための塩浴ろう付.これで元素分析かければ何をどうしたのかわかってしまうので,漸く手の内を見せてくれた.

う~ん,かなりナメラレテいたか

(注)写真は本観察のものではありません.延性破面のディンプル・パターンを例として示したものです.

夜明けの微細組織観察

2007/04/20

日本に帰ったら規則正しい健康的な生活をしようと思っていた.

現在,深夜3時.
大音量のZARDをBGMに実験室で研磨作業中.明日,ではなく,すでに本日の学生演習用の金属微細組織観察試験片を作成している.

金属微細組織観察試験片の作成というのは金属表面が鏡面になるまで研磨して仕上げて,主に酸で軽く腐食(エッチング)する作業.そうすると,「金属微細組織」が顕微鏡で観察されるようになる.

高校の物理までは金属は原子が規則正しく並んで金属結合していると教わる.そのイメージは正しい―マイクロメートルのスケールまでは.
例えば,体心立方晶(bcc)のα-Feでは2.86Å毎に原子が並び,1μmでは約3488.7個の原子が並んでいる.意外と少ない…かな? とはいえ,立体なので,1辺1μmの立方体には42.4×109個の格子があり,849億個の原子が詰まっている.これ以上の原子が規則正しく並ぶことは稀で,規則正しく並んだグループを作るようになる.そして,グループごとに勝手な方向を向いて並ぶようになる.そのグループを結晶粒という.

まぁ,3人集まれば派閥ができるというが,原子はまだ長いものに巻かれろ的に従順なようで,億単位にならなければグループ―結晶粒を作らないようだ.

結晶粒の並びを観察するのが金属部際組織観察.
国際関係を議論するのに,あなたと彼と私の三角関係を挙げてもしょうがなく,国家や民族を単位とするように,材料の機械的性質は,個々の原子同士の関係だけでは片付けられない.結晶粒を見て初めて材料の機械的性質が説明できる.そこで,組織観察が重要.

と,ここまで前口上を述べても大学生は「ッタリ~よっ」と寝ていたりする.

今回は,軟鋼2種,中鋼,ハイスの4種類の鋼に焼きならし,焼入れ,焼入れ+焼き戻しの3種の熱処理を加えて,炭素量による,組織の違いとヴィッカース硬さを比較,考察してもらおうという寸法.
例年やっているのだが,昨年までの標準試験片を紛失.後1週間というところで,ショック!! 熱処理は時間がかかるので,はじめから木曜から金曜の夜は徹夜作業と決まっていたようなもの.どの道,腐食後の試験片は生モノ―直ぐに錆びてくる―なので,直前に研磨と腐食をしなくてはいけない.

12個の試験片を研磨していると指に水ぶくれができてくる.痛くても,ピカッピカに鏡面仕上げされた試験片面は美しい.で,折角の鏡面をナイタール液(5vol%硝酸エタノール溶液)で腐食.曇らせてしまう.

ここまでくると,夜明け.パーライトもマルテンサイトもベイナイトも綺麗に出ているのを確認して,ヴィッカースの圧痕を穿って,終了.

ここまでやっても,微細組織が見えるといって感動してくれる学生って少数派なんだよね…

平衡状態図

04/13/07

本年度も講義期間が始まってしまった.受け持っている演習・実験の講義にいくと,なんとなく,いつもより人数が多い.そういえば,本年度は4年生に上がれない―研究室配属に単位が満たない―学生が多かった.そのせいだろうか.

毎年この時期には3年生を相手に平衡状態図を教える.演習として,DTA(示差熱分析)実験と熱力学計算による状態図作成を課してきた.

物質Aと物質Bが合金化した2元系合金を考える.A,Bが原子的尺度で混合した状態を溶体と呼ぶ.溶体に含まれるA,Bのモル分率をとすると,この溶体のギブスの自由エネルギは次のようになる.
   

混合により生じる自由エネルギは

と書けるので,
   
とも表される.は,それぞれ,混合のエンタルピ,混合のエントロピ.
とはいうものの,「金属データブック」などには活量で表示されているので,
   
とした方が良いかもしれない.固相の場合はそうだ.液相では相互相関パラメータを0と近似できるので,
   

本来,共通接線を求めればいいだけなので,
   
と微分し(注:二元系なので),これらを等置することで
   
あるいは融点での潜熱とエントロピ変化を用いて
   
と表し,これを解けばいい.

で,3年生にこの編微分方程式が解けるか….残念ながら,解析的に解けない.数値的に解けというのは課題としては重すぎてしまうかもしれない.いや,優秀な彼らだからやってくれるかもしれない.

ということで,妥協して,をグラフに描いて,定規を当てて貰う訳だ.=0,=0とした上に,正則溶体近似=const.までしてということになる.

しかし,彼ら,一生これを使うことはないのだろうなぁ.

機械系として,もっと役に立つ課題を考えなくてはと,平衡状態図のテコの原理を使った演習問題を4問ほど付け足す.しかし,金属間化合物や,中間相のある状態図は教わっていないという.どれだけ,自分で調べてレポートを書いてくれるだろうか.

喧騒 それぞれのWeekend

"Hey-l !! The shuttle rolls back to the hanger by hail !!"
"So, what?"

Mr.Aの親父ギャグに冷たい反応のMs.B.どうもこちらでも親父ギャグは若い娘には冷たくあしらわれる様だ.

今日の職場はかなり険しい雰囲気だった.
どうも,このBranchの2/3のResourceを注ぎ込んでいる重要Projectの進捗報告が来週あるようなのだが,ある素子の試験が芳しく無い.Ms.BとMr.Cが実働部隊で,二人の上にMr.DとMr.E. 一番上はMr.Fが統括している.今日はしきりにこの4人が出たり入ったりする.Ms.Bは報告前に結果を出そうとする.Mr.C曰く

"Not funny data. We need fantastic results. Uh, only its sign is enough."

きっつぅ~.
Ms.Bの試験装置は4°Kまで冷える筈のものが2桁°Kまでしか冷えないと先月から問題になっていた.ここまで低温に持っていこうというのも中々Challengingだ.

"We are not ***. We can do it."

あぁ,Japneseがお前の後ろにいるんだよ.ASTRO-Eのことを言っているのかな? 日本の科学衛星なんて頭に無いStaffがEngineeringには多いと思っていたけど,Mr.Cはいろいろ見ているのね.まぁ,知っているだけ許そう.

隣室のMr.Dはしきりに電話相談.黙って聴いていると,どうも多方面との会話.今回の報告は打ち上げ担当,ミッション担当との合同のようだ.FrameとDeviceはここが担当しているのだが,Frameの方は,Mr.Eが複合材のことを相談に来週日本に飛ぶ.とはいえ,Frameは余裕があるらしく,というか,他が遅れているお陰.Mr.E,今回は日本観光もかねている.先週などは

"What is most interesting thing in TSUKUBA?"
"Uh... maybe, down-hill and hill-climb crazy Japanese tuned cars in Tuskuba Mt."
"Mmm...interesting."

いつもながら身だしなみも礼儀も正しい人格者なMr.E.

しかし,Shuttle退役後の打ち上げのはずなのに打ち上げ系? Shuttle延命なんてウルトラCが用意されているのだろうか.ESAとのすり合わせにもう入るの? Missionのスケジュール感覚が全然わからない私.

一方,私のSupervisorはノンビリ手内職.というのは失礼.SAM-Sample Analysis on Mars―用機器の部品造りだ.もう火星探査のMissionは走り始めている.4形状4材質の細かなバルブ部品をMr.Y考案のこれまた細かなジグに納めていく.3種のリングろう材を挟み込みながら.

1回のテスト用に120個が必要という.実験計画法がMatrix系なのだろうか.Orthogonal Chart系とは思えない大量なテスト.午後に炉に仕込んで,開けるのは週明け.シーケンサをONにするとロータリーポンプが回転し始め,5分程度でチャンバの真空度が所定まで上がると,ロータリーポンプのバルブは油拡散ポンプ側に自動的に切り替わり,チャンバと油拡散ポンプを結ぶ巨大なゲートバルブが開く.そして,自動で電離真空計が灯る.2.0x10-6torr程度になると加熱シーケンスが始まるはず―楽チン~.うちの研究室にも欲しい.造れば良いのか.電磁バルブ高いけど.

細かいものを沢山見ていたので,目をしょぼつかせながら部屋に帰る途中,

"On Saturday, I and my boy freind go to Sushi Bar on Baltimore harbor."
"What should I order at first?"

"Anything your favourite. Well, how about from light seasoned fish?"
"Tha-nx. Bye!"

昨年入ったばかりで見習い扱いで特に何のタスクも無いMs.M MSが,私を通り過ぎると

"G,tmorrow, I go to Baltimore harbor with my boy freind."
"Good, enjoy your weekend."

次はMs.G軽くいなされていた.それでもオレンジ色の赤毛をルンルンと振りながら帰っていく.なんでBaltimoreなんだ? D.C.の方がいいお店多いだろう.

居室に帰ると,隣のブースでMs.B,Mr.C,Mr.DにMr.Eまで加わって討論.出すものがまだないので,出す努力をしつつ,環境条件がこうで,材料要求はこうなって,あーの,こーので乗り切ろうということになる.

兎に角今日できることはやったということで,Ms.Kは肩に重い荷が乗ったように,首を傾げながら言った.

"Bye! Ikesho! See you on Monday."
"Have a good weekend!"

 

(*) 初版掲載文には私の誤解と不明瞭な記憶により,誤解を招く記述,不適切な表現,コメントを含んでおりました.深くお詫び申し上げます.
      I apologie the first article containing unsuitable expresions, comments, mininformable description based on my ambiguous memory and my misunderstanding.

いびつだけど付いた

02/07/13

嵌め合がきちんとしている円筒同士を抜き差しするのは気持ちがいい
H7/h6と中間嵌めで34µmの片側間隙が常温.

TP340(Grade-2)のTi合金管の熱膨張係数が約8.1×10-6[K-1]程度.金属類では小さい部類.

  • TP340    : 約8.1×10-6 [K-1]
  • 鋼          : 約11×10-6 [K-1]
  • SUS304  : 約20×10-6 [K-1]
  • Al合金     : 約20×10-6 [K-1].
  • Mg合金   : 約28×10-6 [K-1]

どの物性値も大体300―600[°K]と比較的低温度.あれ,SUS304とAl合金は接合後残留応力が発生しにくいんだ.へ~

一方,C/C複合材管の場合はどう考えたらいいのだろう.織方向と積層方向の熱膨張係数が著しく違う.今回用いたものとは違うが,

  • 織方向      : 1.0×10-6[K-1]以下
  • 積層方向   : 約8×10-6[K-1]程度.

三次元織ならもちろん異なるだろうけど.加熱すると円周方向に引張応力が発生しそう.あるいは,常温で圧縮応力がかかっている状態かもしれない.いずれにしても円周方向の熱膨張係数が著しく小さいので,外径はほとんど変わらないのだろう.多分.

兎に角,Ti合金管にC/C複合材管を差し込んで,炉中ろう付した.付いた
途中,ろう材のTL(液相線温度)を超えても,全然,ろう材が間隙から出てこないので,だめだったかとがっくりきた.が,最終的には毛細管現象できちんとろう材が吸い出されてきた.残念なことにフィレットを形成するには至らなかった.ろう材が少なすぎたか・・・.しかし,片側に吸い寄せられて,軸心がずれてしまった.不思議・・・.最初に結構きちんとした嵌め合だったにもかかわらず,目視でずれがわかる.34µm×2=68µmにろう材が詰まっていると考えれば,そうなるかな.

明日は2nd Batchを仕込んで,今日の試験片を割って削って光顕,電顕と忙しくなりそうだ

Sabotage

02/09/07

米国では職域の区分けが融通が利かないほどに厳しい.

先月,ロウ付試験のためにTi管の口を内グリで段付にしたいと思った.Material Engineering BranchのMachinistは2人いるが,年配のD氏がウンと言わないと,下のS氏も動かない.その上,D氏は私のSupervisorを嫌っている.Dr.Yはウクライナ系ユダヤ人でGoddardに入ってあっという間に主任研究員になってしまった,ある意味,成功者.このBranch,実は東欧系―Polish,East Germany,Russian,Ukrainian―が結構いて,大体がユダヤ系.しかも彼らは皆研究員.どうもこのGroupと根っからの米系のGroupは中が悪いのだ.ここでの根っからの米系というのは大体がEngineer.ちょっと職階が下がる.腕がよろしければ職階なんて関係ないとは思うのだが,どうも,そこら辺,階層意識が強い.

80年代の米国は材料工学に投資を怠った為か,50代,40代の研究員に生粋の米国人男性は少ない気がする.その下の世代も,材料系,私のように機械が混ざった材料系も,東洋系とMinority,あるいは女性だけとなる.

それはいいとして,彼がお守りしている―回しているのをあまり見たことがない―旋盤を使わせてくれないかと頼んだ.どうも使わせろというのがカチンとキタみたいだった.東洋人のガキの癖に,Assistant Professor なんて肩書きを持っているが気に入らないと常日頃から思われていたようだし・・・"Authorized person only"なんて言われてしまった.じゃ,お願いしますと,図面と素材を渡す.この図面にも腹が立ったらしい.親切に同じものをSI系とUS inch系に書き分けた2葉を渡したのだが,馬鹿にされているとでも思ったらしい.

さて,図面は外径Φ27×肉厚t1.9mmのTi管に内径Φ24.2×深さ5.08mm(1/4")の段をつけろというもの.ハメアイはH7/h6,US系ではLC5で,表面仕上げは√0.4.ということで,普通にバイトで削れば良いだろうとタカをくくっていた.5ピースなので1時間程度でできると思った.

MachinistのD氏,まずは
   
"This requires reamer. I don't have this size. I'll find for you. Maybe, next week." 
    「リーマが必要だ.この寸法のはもっていないから,探しといてやるよ.来週だな.」

まぁ,米国は道具の国だから仕方ないかと,お願いねと待った.
次は,
   
"This tube pipe is not conformal. It's not suitable for lathing."
   
"How about skin out by double centered lathing?  After chopping into 1" peices, the internal face can be lathed. The external circle and internal would be precisely conformal."

      「この管は同心円じゃない.旋削には不適当だ.」
      「両センタ突いて一皮剥いたら?1インチに裁断したあとに内削すればいい.外径円と内径円が正確に同心円になるよ.」

と段取りをいうと,これにも腹を立てたらしい.
    "Cutting Titanium is not safe, you know."  「Tiを切削するのは危険だ.」
という.あぁ,そうだよ.切削部に覆いをかけて,更に.ゴーグル被ってるのじゃないか.Gパンに普通のシャツで機械加工していること自体がおかしい.大体,Beryllium合金を削るD氏がTitaniumでビビることなんてないじゃないか.そして,最後に,
    "Your order takes too much time. How much budgget does this project pay for machining?"
        「時間がかかる,Project budgetからどれくらい出すのか?」
なんていいだす.しょうがないから,Dr.Yの上,Branch Headに言う.流石にBranch Headの指示は利き,加工してくれた.

しかし,何じゃこりゃ!? ズボズボ.
   
"D, I guess my designation was LC5. But this fitting is too loose..."
   
"Well, you're gonna brazing it. It would not matter."
   
"The gap won't be uniform, and even too wide for brazing."
    "You want me to lathe again? It would be next month. You know I'm so busy."

   「D,LC5を指定したと思うけど.でもこのハメアイは緩過ぎるよ.」
   「ろう付するんだろ.問題ないだろう.」
    「間隙が一定にならないよ,それに,ろう付には広すぎる.」
    「もう一回やれってか?来月だな.俺が忙しいのはわかってるだろう.」

本来の意味でのSabotage.完全にやられた.300mmのTi管1本を潰されてしまった.折角,日本から送ってもらったのに.残るは3本しかない.

結局,Dr.Yが別のProjectで外注している,工場に頼んだ.それでも2週間かかった.米国に㈱ミスミみたいな会社があれば良いのに.

それより旋盤ぐらい使わせてよ.

Chrismas & 契約更改

Thanks Givingも終わり,Washington D.C.のDown TownもChristmassムードになった.
White HouseにもChristmass Treeが飾られたそうだ.
 
日曜日には陸の孤島と化すGreenbeltなので,土曜日はBus/Metroを乗り継いで,Downtownまで来る.Wi-Fiの使えるBorders 14th Str.店まで来てSeattles's Bestでコーヒー飲みながらノートPCで原稿を打っていたりする.六本木生研にいたときのようで,大学院生に戻った気になったり...  緑の豊かな生活も良いけど,都会の喧騒が何故か落ち着く.これでアキバがあき(れ)ば...
 
NASAの職員は年休消化のため,来週あたりから一斉に休暇を取り始める.既に一通りの実験機器の使い方は分っているし,どこになにがあるかはガチャガチャ探せばどうにかなるので,実験は可能.それにThanks GivingからChrismasまでの米国の研究所は大体こんな雰囲気だよって阪大の若手S助教授に教えてもらっていたので,まぁ,いいかという感じ.高価なおもちゃを沢山好き勝手使わせてもらえるので,それはそれで嬉しい
 
金曜日夕方,非常に珍しく,Branch Managerから全員呼集がかかった.各部屋のスピーカーに"Come to the meeting room, immediately!".とても珍しいことで,休暇をとらず,5時にまだ残っていた他の職員もすぐに来た.
 
内容は研究開発の契約会社,S社との契約が決裂.来年2月から新しい契約会社が来るとのこと.
 
このMaterial Engineering Branch,実は6割方が契約会社の社員からの派遣.正規で実際に実験開発を行っている職員は比較的若い人に限られる.あとは外部委託などへの仕事配分の官吏のようになっている.S社とは6年ほど契約を更新してきたが,どうも某Projectの進捗が芳しくなく,Goddard側で契約金を下げるか,交代かで交渉したらしい.S社はNASA Langley Research Centerとの交渉が好調らしいので手を引いたというか,足を抜いたとういうか.
 
隣にいたBradに,どうなるの?みんな総入れ替えになるの?と尋ねたら,多分,今のS社々員の大部分が新しい契約会社と契約をすることになるらしい.しかし,足元みられて契約金(年俸,週払いだったりもする)が下がることは確実だから,どれくらい残るかな.とのこと.彼らの給与が最低7万ドル――私の隣のブースのKamiliが20代後半で一番若くて――,大体9~12万ドルだから,下がるといったらどれくらいなのだろう.ちなみに私の日本の大学の給与は5万ドル余り.
 
"... I apologize for your incovinence. All of your incovenience."
 
とMichが〆る.
 
来週からはS社々員は一足先のChrismas Vacationになるようだ.
 
 

DTA-50

示唆熱分析器DTA-50が修理に出ました.
長い間,みんなで不理解な使用を続けてきたのですが,限界が来たようです.
新品同様になって帰ってきてくれる・・・わけないか.
 
島津のWebページには,まだ,DTA-50が掲載されていますが,最新の機器はDSC-60のようです.測定器本体の外観も,みるからに近代的.きっと,うちのDTA-50のようにPC9801VMなんて制御パソコンでないのでしょう.
 
もっともご無体な使用ではあっという間に昇天されるかもしれません.